会うだけで好感度UP!?営業や広告に使えるザイアンス効果とは
ビジネスこんにちは、NET SANYOのK2です。
「ザイアンス効果」という言葉を聞いたことがありますか?
接触回数を増やすことで好感度や印象が高まるという心理効果で、「単純接触効果」とも呼ばれています。
営業さんの中には、ザイアンス効果を根拠に「接触回数を増やせば増やすほど好感度が上がるんだから、とにかく訪問しろ」と指示された方もいらっしゃるかもしれません。
でもただ相手と会うだけで、本当に好感度UPにつながるのでしょうか?
今回はザイアンス効果のご説明と、広告や営業への正しい活用方法をお話しいたします。
ザイアンス効果に関する実験
ザイアンス効果に関して、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが行った以下のような実験があります。
ザイアンスは被験者に対して、漢字のような形のシンボルをランダムに見せました。
それぞれのシンボルが提示される回数はばらばらで、1回だけ見せられたものから、25回見せられたものまでありました。
その後、被験者にそれぞれのシンボルに対する好感度を評価させたところ、見せられた回数が多いシンボルほど好感度が高いという傾向がありました。
ザイアンス効果は広告や営業に活かせる?
ザイアンスの法則を活用している最も身近なものとしては「広告」があります。
お店である商品(例えばハンドソープ)を購入しようと考えた際、「聞いたことのない商品よりも、CMで何度も見て知っている商品にしよう」と購入を決めた経験は、おそらくほとんどの方にあるのではないでしょうか?
「今初めて見た商品」と「広告で何度も見たことのある商品」では後者の方が信頼感や好感度が高く、ザイアンス効果は広告に有効であるといえます。
それならば、営業マンも接触回数を増やせば増やすほど受注できるのでしょうか?
ザイアンス効果の落とし穴
あなたに買う気が無いのに、何度も訪問を繰り返す営業マンがいたとします。彼にどのような感情を抱きますか?
営業マンの熱意に感心して「じゃあ買おうかな」と思う方も中にはいらっしゃるかもしれません。でもほとんどの方は「しつこいな」とうんざりしてしまい、むしろ敵意が強まるのではないでしょうか?
ではなぜ接触回数が多いのに好感度が上がらないのでしょうか?
ザイアンス効果は「たくさん接触さえすればOK」という単純なものではありません。一度相手に嫌われると逆効果になってしまい、接触すればするほど好感度が下がってしまうのです。
前述のザイアンスの実験も、被験者の好感度が上がったのは、見せられたのが特に意味のない(好き嫌いのない)シンボルだったからです。
被験者に「ネガティブな意味の言葉」を見せた場合には、接触回数が多い言葉ほど好感度が下がる傾向があったそうです。
広告の場合も同じです。好感度を上げたいからといって、ユーザーが興味のない内容のメルマガを頻繁に送ってしまっては、逆にユーザーに嫌われてしまいます。
とはいえ、ザイアンスの法則が営業に使えないというわけではありません。
やみくもに訪問するのではなく、相手と何度も会う中で、誠実さや知識の深さを感じさせられれば好感度は上がります。
口下手な営業マンで「第一印象に自信がない」という方でも問題ありません。
最初の訪問はまず相手と打ち解けることを目的とし、好感度が上がってから提案を行うのも効果的です。
マーケティングは結局は人と人との関わり合い。人は「会うだけ」で好きになってくれるほど単純ではありません。そこに相手への思いやりがなければ逆効果です。ザイアンス効果を過信し過ぎず、あくまでちょっとしたコツとして取り入れるのがよさそうですね。
ではでは、K2でした!
参考