深い!格好いい!個人的に好きな椎名林檎のMV 3選
オフタイムこんにちは、NET SANYOのK2です。
椎名林檎さんの曲は、深い人生観が表現されているような、心に刺さるものがたくさんあります。
曲を聴くだけでも最高ですが…ミュージックビデオも素敵なものがたくさんあり、見ることでより深いストーリーを感じることができます。
今回は椎名林檎さん(東京事変含む)の曲の中から、個人的おすすめミュージックビデオをご紹介したいと思います!
※勝手な歌詞解釈・MV解釈ががっつり含まれますのでご了承ください。
能動的三分間(東京事変)
曲もMVもスタイリッシュな「能動的三分間」。
曲名通り、3分ぴったりの曲です。
MVは東京事変メンバーがムーンウォークする場面が印象的なのですが、これはマイケル・ジャクソンが亡くなったことに影響をうけて取り入れられたといわれています。
能動的三分間という曲のテーマは、「音楽を生業とする者の死」ではないでしょうか。
You’re all alone You’re fixing ramen You pour hot water in
Where are your thoughts wandering as you wait there?
Come back to life and be high
(君はたったひとりで即席麺を作っている。熱いお湯を注ぐだけ。完成まで如何するの?生還せよ、昇天せよ。)
亡くなったアーティストでも、音楽を再生すれば、生前と同じように歌声や演奏を聴くことができます。音楽を聴きながら、アーティストが歌っている姿や演奏している姿をありありと思い浮かべることができます。
でも音楽が終わって現実に戻ると、当然、そのアーティストはこの世のどこにも存在しない。
まるで音楽を再生している間だけ蘇り、音楽の終わりとともに消えてしまう幽霊のようです。
MVでは、椎名林檎さんがもう亡くなっている歌手、他のメンバーが生きている人間を表しているのではないでしょうか?
MVでは他のメンバーが演奏する隣で椎名林檎さんが歌っているのですが、誰も林檎さんの方を見ません。林檎さんが刄田さんの髪をくしゅくしゅしたり、伊澤さんに花束を投げつけたりしても無反応です。
幽霊だから、悪戯をしても気づかれないということではないでしょうか。
漫画ONEPIECEの中に出てきた「人はいつ死ぬと思う?…人に忘れられた時さ」というセリフを思い出します。
一見スタイリッシュで格好いいけれど、意味を考えながら見ると哀しくもあるMVです。
獣ゆく細道(椎名林檎と宮本浩次)
スーツ姿のエレカシ宮本浩次さんが、武士のような着物姿に変わる格好良いMV。
荒々しく髪をかき乱して踊る宮本さんは野性味があって、まさに獣のようです。
この曲のテーマは、自分にしかできないことを成し遂げようと高みを目指す人なのではないでしょうか。
いつも通り お決まりの道に潜んでいるあきのよる
着膨れして生きながら死んじゃあいまいかとふと訝る
飼慣らしているようで飼殺しているんじゃあないか自分自身の才能を
やりがいのない同じ毎日の繰り返し。そんな生活で自分の才能を発揮できず、飼い殺してしまっている人も多いのかもしれません。
丸腰の命をいま野放しに突走ろうぜ
行く先はこと切れる場所 大自然としていざ行こう
自分の才能を発揮し何かを成し遂げようとする人は、厳しい自然の中、どこかを目指して走る獣のようなものなのかもしれません。
行き先がこと切れる場所(人生は有限)だからこそ、「こんな所でくたばってたまるか」と進み続けるのではないでしょうか。
MVでスーツ姿の宮本浩次さんが着物姿に変わるのは、知らない他人から見たらスーツを着たどこにでもいる人間でも、内面は武士のように信念や野心を忘れるな!といった意味でしょうか。
誰も通れぬ程狭き道をゆけ
競争の激しい道を「狭き門」と呼ぶように、「狭き道」も、鍛錬を積まなければ進めない困難な道を指すのではないでしょうか。
誰も上がってこれない高みに到達し、自分にしかできない仕事ができたら最高ですよね。
小さくまとまるなよ!とぶん殴られるようなMVです。
ありきたりな女(椎名林檎)
子供をもつ母親視点の曲。
母親になる覚悟のようなものを表しているのではないでしょうか。
幼い頃から耳を澄ませば、ほんとうに小さな音も聴こえて来た。遠い雲が雨を手放す間に、木々の笑う声。時という時はそう音楽になり、欲しいものなどなかった。
どれほど強く望もうとも、どれほど深く祈ろうとも、もう聴こえない。
あなたの命を聴き取るため、代わりに失ったわたしのあの素晴らしき世界。
子どもを持つ前の、遊んだり恋をしたりして自由に過ごしていた頃の世界も素晴らしかった。でもあなた(子ども)に会いたかったからその世界を捨てたのだ。といったところでしょうか。
わたしは今やただの女。さよなら、あなた不在のかつての素晴らしき世界。GOODBYE。
子供をもったことで、人生が自分中心ではなく子供中心になったと感じる人は多いのではないでしょうか。
色々なことの判断基準が「自分がどうしたいか?」よりも「子供にとって何がベストか?」になりますし、生活も子供優先で、自分のことは二の次三の次という人が多いと思います。
MVの終盤に椎名林檎さんが舞台から去っていくのも、「自分の人生の主役は、もう自分ではない(自分はもう脇役だ)」ということを表しているのかもしれません。
上の歌詞は「今よりも、あなたのいなかったかつての世界の方が素晴らしかった」という後ろ向きな意味にも捉えられます。
でも「かつて(あなたと出会う前)は、あなたのいなかった世界を素晴らしいと感じていた」という前向きな意味だといいなーと個人的には思います。
MVの中盤には、林檎さんがぬいぐるみやドライヤー、受話器や鍵を差し出され、首を横に振る場面があります。
そしてMVの最後では、野菜や魚を差し出されて笑顔でうなずいています。
ぬいぐるみは少女の頃好きだったもの、ドライヤーはおしゃれを表していて、受話器や鍵は恋人との電話や合鍵を連想させるから、恋愛を表しているのでしょうか?
かつて好きだったもの(ぬいぐるみや恋愛)はもういらない。今は家族のための食材が欲しい、という気持ちが表現されているのでないでしょうか。
MVでは、自分が人生の主役ではなく「ありきたりな女」になってしまったと感じながらも、笑顔で家族のための食材を選んだりして、「まあ、それでもいいよね」と変化を前向きに捉えている女性像が表現されているのではないかなーと思いました。
まとめ
個人的に好きなMV、上位3つでした。みなさんの好きな曲もありましたか?
記事を書いていて、昔「能動的三分間」のMVの林檎さんに憧れすぎて、同じ髪型にしたら全然似なかった(顔が違いすぎた)思い出がよみがえりました。
苦い思い出ですが…でも憧れちゃうぐらい、動いて歌う林檎さんは魅力的です。見たことのないMVがあった方はぜひ見てみてください。
ではでは、K2でした。