こんにちは、NET SANYOのK2です。
あなたは「素晴らしい広告」や「素晴らしいWebサイト」というと、どのようなものをイメージしますか?
洗練されたデザインや、Webであれば導線や操作の分かりやすさなどが挙げられるのではないでしょうか。
ところが逆に、「あえて」ダサい見た目やひどいUXデザインにすることで、成果に結び付けた事例もあります。
今回はそんな、「あえて」をやっている面白い事例3つを紹介いたします!
「あえて」ひどいUXデザイン
スイスのIT企業Veeam Softwareが、採用のため、あえてひどいUXデザインのWebサイトを開設しました。
Veeam Softwareは優秀なUXデザイナーを雇うために高額の給与を用意していたのですが、給与目当てのスキルの低い応募者が多く、課題に感じていたそうです。
そこで開設されたのが、ひどいUXデザインの採用サイト「What’s the FUX?」。
どのようなサイトかというと…例えばこちらは応募者の氏名入力画面。プルダウンで一文字ずつ選ばせるのはひどすぎて笑ってしまった。
操作性を悪くすることで申し込みを面倒にし、本気度の低い応募者をふるい落とすだけでなく、優秀なUXデザイナーほど「直したい!」と気になってしまう心理を利用しています。
この施策の結果、Veeam Softwareには300人以上の優秀なUXデザイナーの応募があったそうです。
・参考:AdGang「スイスのIT企業が“にわか応募者”対策のために「ひどいサイト」を開設!?」
「あえて」ダサいデザイン
メルカリは、平成から令和へ変わるのを機に「懐かしい商品の特集サイト」を公開しました。
サイトデザインは、取扱い商品に合わせてあえて時代に逆行。
「90年代のWebサイト」を忠実に再現しています。
「カキコ」「キリ番」といった死語や管理人コメント付きのリンク集など…細部まで再現されており、ネット上では「懐かしい!」と反響が続出しました。
ちなみにこんな見た目ですが、きちんとレスポンシブ対応しています。
また、2017年には湖池屋が「美味しい商品開発に力を入れ過ぎて、サイトに手が回らなかった」として、5分で作ったような雑過ぎる新商品告知サイトを公開。
Twitterで話題となりました。
現在そのサイト自体はありませんが、ねとらぼさんで画像が見られます。
・ねとらぼ「湖池屋が5分で作ったような雑極まりない新商品の公式サイト公開 「サイトまで手が回りませんでした」」
「ダサデザイン」の成功ポイントは、知名度の高い会社があえて実施することで、ユーザーに遊び心や親しみを感じさせることではないでしょうか。
「あえて」商品を自虐
Twitterで「#弊社商品を自虐してみた」タグが話題になるなど、近年流行している企業の「自虐ネタ」。
その先駆けともいえるのが、キューサイ青汁のキャッチコピー「まずい!もう一杯!」です。
このCMは、商品のネガティブ面を言うことで意外性を生み、視聴者の興味を引いています。
「自虐広告」が一般的でなかった当時、自社商品を「まずい!」と言い切ってしまうのはかなり奇抜だったのではないでしょうか。
しかし、卑下するだけでは商品の魅力は伝わりません。
その直後に「もう一杯!」と真逆の台詞を言うことで、「まずいけれど、効く(健康に良い)のでもう一杯飲んでしまう」というポジティブ面を暗にアピールしています。
このCMは多くの人々の印象に残り、青汁は大ヒットしました。
近年では、ブラックサンダーの広告「一目で義理とわかるチョコ」などが話題になっています。
自虐広告で大切なポイントは、他人をサゲてウケを狙うのではなく、あくまでサゲるのは自社(自社商品)のみということ。
また、自社商品を卑下しながらも、根底に商品への自信と愛を感じさせるところが「あえて自虐」の成功ポイントです。
・参考:The Response「“あーまずい!もう一杯!”が凄い理由」
まとめ
いかがでしたか?
施策に行き詰まったときは、「自分の思う常識」の壁をいったん取り払って、発想を逆転させてみると良いアイデアが浮かぶかもしれません。