こんにちは、K2です。
誰にでもクセがあるように、人は誰でも何らかの先入観を持っていて、偏った考え方をしています。また普段は冷静な人でも、周囲からの影響により誤った判断をすることもあります。
人間が犯しやすい、誤った考え方や思い込みを「認知バイアス」といいます。
今回はその中から10パターンを紹介いたしますので、誤った情報や固定観念でものごとを判断をしてしまわないように、ぜひお役立てください。
1.確証バイアス
人は自分の考えに合う情報は自ら探したり敏感に反応しますが、反証となるような情報は探そうとせず、そのような情報に触れても無視したり疑ってかかる傾向があります。そのことにより、「自分の考えは間違っていない」とさらに強く思い込んでしまいます。
確証バイアスの例
「女性は信用できない」と考えている人は、「女性が犯罪を犯した」「彼女に浮気された」といった情報には敏感に反応するが、「男性が犯罪を犯した」「彼氏に浮気された」といった情報は無視する傾向がある。
2.ハロー効果
人は相手の目立つ特徴に引っ張られて、充分な根拠なく相手を評価してしまう傾向があります。誤った判断をできるだけ避けるためには、その人の様々な言動を見て判断材料を増やす必要があります。
ハロー効果の例
採用面接を行った。就活生のAさんは明るくはきはき喋っていたが、Bさんは緊張しているようで言葉がつっかえていた。きっとAさんの方が仕事ができるに違いない。
3.コンコルド効果(サンクコスト)
人は「今まで費やしてきたお金や時間がもったいない」という気持ちから、将来に関して適切な判断ができなくなる傾向があります。
「コンコルド効果」という名前は以下の話が由来となっています。
かつて「コンコルド」というとても速い旅客機が開発されていました。
ところが開発途中で、この航空機には「燃費がとても悪い」「定員が少ない」といった様々な欠点があることがわかったのです。
すでに莫大な開発資金がかかっていましたが、赤字を最小限に留めるには、これ以上資金を投入せずに開発を中止するしかありませんでした。
しかし、それにもかかわらず開発は続けられました。完成した航空機はやはりほとんど売れず、莫大な赤字を背負い込んだだけの結果となりました。
コンコルド効果の例
競馬で外れが続いたが、「勝てばお金を取り戻せる」と思ってどんどんつぎ込み、結果的に大金を失ってしまった。
4.リスキーシフト
普段は節度のある人間が、集団の中では、周りが極端な言動を行うとそれに同調してしまう心理効果。
リスキーシフトの例
- 飲み会で、周りの皆が新入社員にアルコールを強要していて、自分もそれに同調した。
- ネット上で有名人の悪口で盛り上がっていたら、「自宅を特定して嫌がらせをしよう」などと話がどんどんヒートアップしていった。
- 道にごみがたくさんポイ捨てされていたので、自分もポイ捨てした。
5.代表性バイアス
人は代表的な事例や印象に残った事例からものごとを判断する傾向があります。
代表制バイアスの例
急いでいないときに赤信号に引っかかっても気にならず、記憶にも残らない。だが急いでいる時に信号に引っかかった出来事は印象に残る。そのため「急いでいる時に限って赤信号に引っかかる」と言う人が多い。
6.希望的観測
人は充分な根拠が無くても、「こうなったらいいな」という希望で物事を判断してしまう傾向があります。
希望的観測の例
人気の商業施設がテナントを募集していたため、根拠もなく「絶対儲かる」と思って出店した。実際は儲けよりもコストが多く、毎月赤字になってしまっている。
7.自己奉仕バイアス
人は、自分の失敗は外的要因のせい、相手の失敗は相手自身のせいだと感じる傾向があります。
自己奉仕バイアスの例
- Aがミスをした。Aがきちんと確認しなかったせいだ。
- 自分がミスをした。仕事が忙しかったせいだ。
8.現状維持バイアス
人は変化よりも、現状維持を好む性質があります。
危険を避けるための本能と言われていますが、変化した方が明らかに得な状況でも現状維持を選んでしまうことがあります。
現状維持バイアスの例
恋人は性格が悪いし、浮気ばかりする。でも別れる気になれない。
9.後知恵バイアス
人間は、物事の結果を知った後は「この結果は予測可能だった」「トラブルは未然に防げた」と考える傾向があります。
結果が分かった後だから言える、いわゆる「結果論」になっていないか冷静に考える必要があります。
後知恵バイアスの例
晴れの予報だったので洗濯物を外に干して出かけたが、予報が外れて雨が降り、洗濯物が濡れてしまった。すると夫が「なんで室内干ししなかったんだ」と言い出した。
10.内集団バイアス
人は自分の属する集団を、他の集団より優れていると思う傾向があります。
内集団バイアスの例
- 「日本人は犯罪なんて犯さない。犯罪者は外国人に決まってる。」
- 「今どきの若者は駄目だ。俺たちの世代はもっとちゃんとしている。」
まとめ
何の先入観もなくものごとを判断するのはとても難しいと思います。「何の偏りもなく、常に合理的に考える」というのはもしかしたらロボットでもない限り不可能かもしれません。
でもこういった認知バイアスを知り、「自分の考えが正しいとは限らない」と自覚するだけで、誤った判断をしたり他人と衝突したりすることを減らせるのではないのでしょうか?
ではでは、K2でした。